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町家の顔

庇をとった玄関
庇をとった玄関
解体した庇
解体した庇

今も昔も変わらず、家の顔は玄関、そして玄関周りの造りです

金澤町家のうち、城下の商人や職人たちが住んでいた町家は、隣家と接して間口一杯に建てられています

そして、玄関上から続く小庇が一文字の軒先瓦や銅板などで葺かれているのが特徴の一つになっています

 

蒼風庵は、隣家と接して建てられている町家の造りをしていますが、玄関周りは少し違っています

実は、玄関戸の上に三角の小さな庇がちょこんとのったかわいい顔をしているのです

そして、その庇はまるで桃の節句の高い雛壇のように、小さな部材を幾重にも重ねた上に銅板を張ったなかなか凝った造りになっています

 

90年の間雨風から玄関を守ってくれた庇は、外観だけどうにか残して中がすっかり腐食していました

お疲れさまでした、今日でお役御免です

初代の庇の通りの新しい庇を、大工さんが造ってくれることになりました

職人泣かせの細工だそうです

でも、ベテランの大工さんががんばってくれています

ありがたいことです

 

改修を終えた蒼風庵にいらしたときには、玄関上の二代目庇もよくご覧になってください